より具体的な例としては、歯科医学の最終的な目標が虫歯や歯周病になりにくい生活環境の確立であっても、仮に日本の社会の中で諸外国のように、フッ素を水道水に入れて虫歯を限りなくゼロにすることを本気ですれば、虫歯は確実に無くなり歯医者さんの多くは失業してしまいます。ですからどれだけ目標が理想的であっても、社会の構造を変えない限り、そうやすやすとはできることではないのです。(医学も同様)
なにもこのようなことは医学に限ったことではなく、
浄水器や空気清浄機についても同様なのです。
つまり水や空気を綺麗にする器械を作れば作るほど地球環境にストレスを与えることになりますが、作り続けないと企業が成り立たなくなり生活ができなくなるので、どうしても器械を作り続けなくてはなりません。
本来ならば綺麗な水や空気を手に入れる理想的な方法は、浄水器や空気清浄機を作ることではなく、自然環境を元に戻し、誰もが美味しい水や空気を、日常生活の中で自由に満喫できることだと思います。
そこでここまでをまとめますと、
本質的(理想的)なことに気付いて正そうとしても、
個人の生活が成り立たないことや、
会社が儲からないことや、
税収が下がり議員数や公務員数の削減や減給に繋がることなどの理由で、
地球環境保護や和を保った世の中など、理想社会の達成は到底できないという結論になってしまうということです。
これこそが地球を壊しきってしまう根本的な原因になります。
残念な事に、社会構造が歪んでいるために、
理想論を唱えても絵に描いた餅で終わってしまい、
所詮、理想は夢物語に過ぎなくなってしまうということになります。(欠陥社会)
つまり利他的な発想を社会の仕組み(構造)が拒み、
良心を騙し、裏切り、妥協して生きているうちに、
精神がどんどん腐敗し、取り返しがつかない状況に陥っているのです。
また極端なことを言えば今の社会構造の中では、
いくら教育や管理、監査や罰則を強化してもルール(常識)を守りきれないということです。
要するに、方法を問わずお金を獲得しない限り生活が成り立たない社会構造になっていることが、善悪が「判っていても止められない」状況を生み、
理想社会をいつまで経っても達成できない原因になっていたのです。
しかし驚くことに、より重大で根深い原因があったのです。
その原因が、このようなとんでもない歪んだ社会構造を作り、
今の状況から抜け出せなくしているのです。
それが第二の原因となる精神構造的な原因「自我(エゴ)」なのです。
精神構造的原因
@ 精神構造的な原因を解く際に鍵となるのが
「自我(エゴ)とは何?」と
「人間(自分)とは何(誰)?」という問いです。
この問いが幾ら哲学的、宗教的であるといわれても、
「生きる」ということや
「人生にとって大切なものは何か」を考える時、
避けて通ることはできません。
この問いは全学問の中枢命題(命があるうちに解かなくてはならない最も重要な問い)と呼ばれています。(哲学を社会の基盤にする政策が必要な時)
精神面は非科学的(暗在系)でもあり、
一般的には避けて通りたい内容なのですが、
ここでは大変重要な問題解決の鍵となりますので、あえて触れさせて頂いています。
それでは精神構造的な原因と考えられる
「自我(エゴ)」が誕生するメカニズムについて
検証してみましょう。
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