ユニアースプロジェクトU(地球と地域の再生プロジェクト)
T. 地球環境破壊と精神性の崩壊の原因
現代社会が抱える諸問題 (地球温暖化、地球環境破壊、戦争、飢餓、貧困、人種差別、宗教、民族、税金、福祉、医療、介護、金融、虐待、格差社会、養育放棄、引きこもり、ニート、凶悪犯罪の激増、少子高齢化、年金削減、財政破綻など)は無数にありますが、中でも地球環境破壊と人の精神性の崩壊は、
地球で暮らす総ての人の生命に関わる深刻で重大な問題だと思います。
にもかかわらず、現在これらの問題の解決策はありません。
このままいけば地球環境破壊と人の精神性の崩壊による人類の破滅は、
どうやら避けられそうにもありません。
問題は、物事の善悪の判断がつくにもかかわらず善を善とできない点にあります。
要は原因が「判っていても、止められない」という状況に陥っているにもかかわらず、
対処できていないことに大きな問題があるのです。
そこで、なぜこのような問題が起きるのかを分析してみると二つの根本的な原因のあることが判明しました。
第一の原因は、社会構造的(世の中の仕組み=システム)な原因で、
@資本主義 A市場経済 B拝金思想
の三つでした。
第二の原因は、
@精神構造的な原因で、
哲学や宗教が問題にしてきた「自我(エゴ)」の形成でした。
次にこれらの原因を、より詳しく検証した結果を以下にまとめました。
それでは、まず第一の社会構造的な原因から検証してみることにしましょう。
社会構造的原因
@ 資本主義は、基本的により多くの資本(お金や土地・権利や株など)の獲得を強いられ、延々と奪い合いを続けなくてはならないため、いつまで経っても平和な社会は創れません。
また利権を持っている人と、持っていない人がいることで公平な社会も望めません。(争奪思想・格差助長型社会構造)
A 市場経済は、大量に物を作り続け、大量に販売して消費し、延々と経済成長を続けない限り成り立たない構造になっています。
ですから、たとえ地球を破壊し尽くそうとも止めることは決して出来ません。
従って不必要な空港であろうと、施設であろうと、道路であろうと、とにかく何かを造り続けない限り成立しない経済構造なのです。
また「物づくり産業構造」であるが故に、物のあり方としては理想的でなくても、一定期限で壊れるような物作りも必須になります。(連鎖型環境破壊経済システム)
B 拝金思想は税金とお金のあり方に原因があって、納税しないと財産は没収され、お金が無いと生きられないという負(暗い)の現実を生み出しています。
税金は人々を苦しめ、お金は人を狂わせます。
今後さらにお金の為なら何でもする人の数が増加し、犯罪や事件の多発が懸念されます。(自然環境と精神性の崩壊を止められない負の循環型社会)
現在、政治や経済、学問や教育、医療や社会福祉や社会保障など全てが利権(利益を占有する権利:業者が公的機関等と結託して得る権益=独り占め)という形で資本主義と市場経済と拝金思想に牛耳られ、お金を稼がないと生き残れないという社会になっています。(金権主義は蔓延し、お金の呪縛から逃れない世の中)
これによって人々の精神は、お金がどれだけあっても満たされることのない日常生活の中で荒廃し、あらゆる物事の判断基準をお金に置くようになり、社会は大きく変わり、人も大きく変わりました。(人間性を欠いた自己中心主義的な社会と個人へ変貌)
例えば女性が結婚相手を選ぶ際、相手の性格や人格よりも収入や持ち物等を重視する傾向や、人付き合いでもビジネスにとって有益であるかどうかの判断が優先される傾向があります。
また市場では、鳥インフルエンザに感染していた鳥を出荷しようとしたり、
期限切れの乳製品を使用して商品化したり、
期限切れの洋菓子をリメイクして販売するなどして、利益の追求が最優先されます。
そして若者は、容易にお金を手に入れる方法として犯罪に走り、
いわば欲得(我欲)を優先するために、
人としての精神性を失いつつあります。
またなにも精神性を欠いているのは一般人や若者に止まらず、
社会的なリーダーである聖職者(教師、警察官、医者、公務員、政治家など)にまで及び、セクハラや淫行、官製談合や裏金工作、不正献金など不祥事は絶えません。(社会の崩壊)
より具体的な例としては、歯科医学の最終的な目標が虫歯や歯周病になりにくい生活環境の確立であっても、仮に日本の社会の中で諸外国のように、フッ素を水道水に入れて虫歯を限りなくゼロにすることを本気ですれば、虫歯は確実に無くなり歯医者さんの多くは失業してしまいます。ですからどれだけ目標が理想的であっても、社会の構造を変えない限り、そうやすやすとはできることではないのです。(医学も同様)
なにもこのようなことは医学に限ったことではなく、
浄水器や空気清浄機についても同様なのです。
つまり水や空気を綺麗にする器械を作れば作るほど地球環境にストレスを与えることになりますが、作り続けないと企業が成り立たなくなり生活ができなくなるので、どうしても器械を作り続けなくてはなりません。
本来ならば綺麗な水や空気を手に入れる理想的な方法は、浄水器や空気清浄機を作ることではなく、自然環境を元に戻し、誰もが美味しい水や空気を、日常生活の中で自由に満喫できることだと思います。
そこでここまでをまとめますと、
本質的(理想的)なことに気付いて正そうとしても、
個人の生活が成り立たないことや、
会社が儲からないことや、
税収が下がり議員数や公務員数の削減や減給に繋がることなどの理由で、
地球環境保護や和を保った世の中など、理想社会の達成は到底できないという結論になってしまうということです。
これこそが地球を壊しきってしまう根本的な原因になります。
残念な事に、社会構造が歪んでいるために、
理想論を唱えても絵に描いた餅で終わってしまい、
所詮、理想は夢物語に過ぎなくなってしまうということになります。(欠陥社会)
つまり利他的な発想を社会の仕組み(構造)が拒み、
良心を騙し、裏切り、妥協して生きているうちに、
精神がどんどん腐敗し、取り返しがつかない状況に陥っているのです。
また極端なことを言えば今の社会構造の中では、
いくら教育や管理、監査や罰則を強化してもルール(常識)を守りきれないということです。
要するに、方法を問わずお金を獲得しない限り生活が成り立たない社会構造になっていることが、善悪が「判っていても止められない」状況を生み、
理想社会をいつまで経っても達成できない原因になっていたのです。
しかし驚くことに、より重大で根深い原因があったのです。
その原因が、このようなとんでもない歪んだ社会構造を作り、
今の状況から抜け出せなくしているのです。
それが第二の原因となる精神構造的な原因「自我(エゴ)」なのです。
.精神構造的原因
@ 精神構造的な原因を解く際に鍵となるのが
「自我(エゴ)とは何?」と
「人間(自分)とは何(誰)?」という問いです。
この問いが幾ら哲学的、宗教的であるといわれても、
「生きる」ということや
「人生にとって大切なものは何か」を考える時、
避けて通ることはできません。
この問いは全学問の中枢命題(命があるうちに解かなくてはならない最も重要な問い)と呼ばれています。(哲学を社会の基盤にする政策が必要な時)
精神面は非科学的(暗在系)でもあり、
一般的には避けて通りたい内容なのですが、
ここでは大変重要な問題解決の鍵となりますので、あえて触れさせて頂いています。
それでは精神構造的な原因と考えられる
「自我(エゴ)」が誕生するメカニズムについて
検証してみましょう。
「自我(エゴ)」は、一般的に我欲や欲望や欲求などの根源といわれています。
(「自我は数千年前と同様に現在も謎」ブリタニカ国際百科辞典)
「自我」が誕生する過程の第一段階は、
@人体に
A名前を付け「自己」になるステージです。(命名=自己確立の鍵)
このステージでは、「人体」の成長(食事や運動など)と「自己」の成長(学問や教育など)をします。
つまり体格形成(人体=有形的な「生」いのち)と人格形成(人=無形的な「命」いのち)の二つの成長をするということです。
仮にこの時期に狼や猿に育てられたり、軟禁状態で育てられたりして声かけのない環境で育つと、「自己」は形成不全となってしまい、人の社会での生活が営めなくなります。
本文では人を、万物の創造の起源となる意識と定義付け、
「起源意識(人)」と呼んでいます。(宇宙のビッグバーンや揺らぎの起源となる意図の根源)
また「起源意識」自らが分れて
「自分」になっているとも考えています。
続いて次のステージでは、形成された「自己」が
様々な物(有形・無形)を所有することで形成される
「我己」が誕生するステージです。
「我己」とは聞き慣れない名前ですが、「自己」が物を所有する慣習によって、
「自己」と同等またはそれ以上の価値観を持つ、もう一人の陰の存在(分身=「我己」)をいいます。(人格の二面性)
例えば自分(「自己」)自身が傷つけられなくても、自分の所有物である車や鞄等が傷つけられると、あたかも自分自身が傷つけられたかのように怒ることがこれに相当します。
この例は有形的な物ですが、これ以外に無形的な例として社長や先生、学者や公務員、社会的地位や名誉などのプライド(自尊心:自らが尊ぶ存在を「我己」という)が傷つけられるも挙げることができると思います。
不思議なことに判断基準が人(「自己」)から、「我己」に移ることで、車を持つと自分の車を中心にしたり、社長や先生になると社長や先生を中心にしたり、子供を持つとお母さんを中心にして、物事を判断するようになるのです。これが「我己」の特徴なのです。
そしていよいよ最終的なステージで「自己」と「我己」が融合することで、「自我(エゴ)」が誕生します。
一旦「自我」を形成すると物事の判断基準は、徐々に「我己」を中心にするようになり、利他的な発想が損なわれていきます。
この結果、判断をしているのが人(「自己」)ではなくなる為に時として判断を誤ることになるのです。
例えば会社の社長になると、「自己」の判断ではなく、「社長」としての判断を優先するようになり、会社の利益の為ならばたとえ人の道を外れても会社の利益を優先してしまうことなどが挙げられます。(一部の人なのですが残念・・・)
つまり「自我」が形成されると、人は利害関係を重視し、「私(わたくし)」即ち私有や私略、私利私欲など独り占めや邪(よこしま)な考え方になりがちになります。いわゆる人の立場になって物事を考えるのではなく、私的で自分勝手な考え方になるということです。
そして最終的には、人の役に立とうとすることより自分(私)を最優先するようになってしまいます。
また社会自体が強い「自我」を形成しないと生き残れない「自我社会」になっていることも原因を助長拡大しています。(自分だけを大切にする)
現在、大半の人類は「自我」という状態にあります。人類の「類」は「たぐい」のことですから、本来の人(「起源意識」)とはまったく異なった偽者(類)ということになります。
大切なことは、どうしたら偽者から本物へ戻れるかということです。
その唯一の方法が「自我」の形成を極力抑制することなのです。
つまり地球上で「自我」となってしまい、本物(「起源意識」)に戻れないままでいると、人(「起源意識」)としての判断を下せなくなり、やがて地球を壊してしまい、破滅してしまうということなのです。
即ち「自我」の形成こそが「判ってはいても、止められない」という異常な精神状態に陥る社会構造を生み出した最大の原因と考えられるのです。
ギリシャのアポロン神殿とヒロシマの原爆ドーム対岸にある平和の鐘には、
それぞれ「汝自身を知れ」と「自己を知れ」と書かれています。
このメッセージは、
人類が「自我」であることを改めないでいると、
「自分勝手な考え方や生き方をしてしまい、最終的には崩壊または破滅してしまう」
という警告とは考えられないでしょうか。
「わたしは誰?」という問いがありますが、
この問いは「起源意識」自らの問いであり、
「起源意識」だからこそ出てくる問いです。
(宇宙と地球、人体と「自己」は「起源意識」が完成する為に必要な道具でもあり世界でもある)
わたしたち一人ひとりは「起源意識」の一部です。
すなわち一人という存在は「起源意識」の一部であり、
全体とは「総ての人の意識の和合したもの」、これこそが「起源意識」ということなのです。
(和多志わたしとは多くの意志が和したもの≠ 私わたくしとはひとりよがり、即ち人≠人類)
「起源意識」は、元もと全体一体で機能している生命体と考えられます。
ですから日常生活の場(環境)を、全体一体で機能できる社会にしておかないと、
天性や天命や天寿のまっとうが出来ないようになっているということなのです。
この理由こそが、総ての人が区別や差別なく、公平で仲良く、
和で幸福に暮らせる、理想的な社会を創らなくてはならない最大の理由(大義名分)ではないかと思われます。(哲学的な理由付けが社会基盤の構造を成すべき)また「人間」とは辞典によれば「世の中・世間」と書かれています。
ということは皆が「起源意識」であって、皆が「起源意識」だからこそ「人間(世の中・世間)」を創ることができるのではないかと思います。
そこで以上のことを踏まえて問題に戻りますと、困ったことに今の世の中は「自我」を強化しなくては生き残れない「自我社会」となっています。
この自我社会の骨子を成すのが資本主義(競争社会、弱肉強食)と市場経済(環境破壊、差別化)と拝金思想(金権主義、金至上主義)なのです。
また命(人「起源意識」)には差別や区別が無くても、生(人体)のおかれた境遇によってできる差別や区別によって待遇や接遇が違っています。
従って今の世の中は、公平や共生などの理想的な社会(起源意識社会)とは程遠く、次々と「腐った林檎(自我)」が育つ林檎箱(自我社会)と化しています。(現代社会=林檎が腐る林檎箱)この状態を改めるには、社会構造と精神構造の二つを同時に解決する必要性があることはいうまでもないことだと思います。
現代社会が抱える諸問題 (地球温暖化、地球環境破壊、戦争、飢餓、貧困、人種差別、宗教、民族、税金、福祉、医療、介護、金融、虐待、格差社会、養育放棄、引きこもり、ニート、凶悪犯罪の激増、少子高齢化、年金削減、財政破綻など)は無数にありますが、中でも地球環境破壊と人の精神性の崩壊は、
地球で暮らす総ての人の生命に関わる深刻で重大な問題だと思います。
にもかかわらず、現在これらの問題の解決策はありません。
このままいけば地球環境破壊と人の精神性の崩壊による人類の破滅は、
どうやら避けられそうにもありません。
問題は、物事の善悪の判断がつくにもかかわらず善を善とできない点にあります。
要は原因が「判っていても、止められない」という状況に陥っているにもかかわらず、
対処できていないことに大きな問題があるのです。
そこで、なぜこのような問題が起きるのかを分析してみると二つの根本的な原因のあることが判明しました。
第一の原因は、社会構造的(世の中の仕組み=システム)な原因で、
@資本主義 A市場経済 B拝金思想
の三つでした。
第二の原因は、
@精神構造的な原因で、
哲学や宗教が問題にしてきた「自我(エゴ)」の形成でした。
次にこれらの原因を、より詳しく検証した結果を以下にまとめました。
それでは、まず第一の社会構造的な原因から検証してみることにしましょう。
社会構造的原因
@ 資本主義は、基本的により多くの資本(お金や土地・権利や株など)の獲得を強いられ、延々と奪い合いを続けなくてはならないため、いつまで経っても平和な社会は創れません。
また利権を持っている人と、持っていない人がいることで公平な社会も望めません。(争奪思想・格差助長型社会構造)
A 市場経済は、大量に物を作り続け、大量に販売して消費し、延々と経済成長を続けない限り成り立たない構造になっています。
ですから、たとえ地球を破壊し尽くそうとも止めることは決して出来ません。
従って不必要な空港であろうと、施設であろうと、道路であろうと、とにかく何かを造り続けない限り成立しない経済構造なのです。
また「物づくり産業構造」であるが故に、物のあり方としては理想的でなくても、一定期限で壊れるような物作りも必須になります。(連鎖型環境破壊経済システム)
B 拝金思想は税金とお金のあり方に原因があって、納税しないと財産は没収され、お金が無いと生きられないという負(暗い)の現実を生み出しています。
税金は人々を苦しめ、お金は人を狂わせます。
今後さらにお金の為なら何でもする人の数が増加し、犯罪や事件の多発が懸念されます。(自然環境と精神性の崩壊を止められない負の循環型社会)
現在、政治や経済、学問や教育、医療や社会福祉や社会保障など全てが利権(利益を占有する権利:業者が公的機関等と結託して得る権益=独り占め)という形で資本主義と市場経済と拝金思想に牛耳られ、お金を稼がないと生き残れないという社会になっています。(金権主義は蔓延し、お金の呪縛から逃れない世の中)
これによって人々の精神は、お金がどれだけあっても満たされることのない日常生活の中で荒廃し、あらゆる物事の判断基準をお金に置くようになり、社会は大きく変わり、人も大きく変わりました。(人間性を欠いた自己中心主義的な社会と個人へ変貌)
例えば女性が結婚相手を選ぶ際、相手の性格や人格よりも収入や持ち物等を重視する傾向や、人付き合いでもビジネスにとって有益であるかどうかの判断が優先される傾向があります。
また市場では、鳥インフルエンザに感染していた鳥を出荷しようとしたり、
期限切れの乳製品を使用して商品化したり、
期限切れの洋菓子をリメイクして販売するなどして、利益の追求が最優先されます。
そして若者は、容易にお金を手に入れる方法として犯罪に走り、
いわば欲得(我欲)を優先するために、
人としての精神性を失いつつあります。
またなにも精神性を欠いているのは一般人や若者に止まらず、
社会的なリーダーである聖職者(教師、警察官、医者、公務員、政治家など)にまで及び、セクハラや淫行、官製談合や裏金工作、不正献金など不祥事は絶えません。(社会の崩壊)
より具体的な例としては、歯科医学の最終的な目標が虫歯や歯周病になりにくい生活環境の確立であっても、仮に日本の社会の中で諸外国のように、フッ素を水道水に入れて虫歯を限りなくゼロにすることを本気ですれば、虫歯は確実に無くなり歯医者さんの多くは失業してしまいます。ですからどれだけ目標が理想的であっても、社会の構造を変えない限り、そうやすやすとはできることではないのです。(医学も同様)
なにもこのようなことは医学に限ったことではなく、
浄水器や空気清浄機についても同様なのです。
つまり水や空気を綺麗にする器械を作れば作るほど地球環境にストレスを与えることになりますが、作り続けないと企業が成り立たなくなり生活ができなくなるので、どうしても器械を作り続けなくてはなりません。
本来ならば綺麗な水や空気を手に入れる理想的な方法は、浄水器や空気清浄機を作ることではなく、自然環境を元に戻し、誰もが美味しい水や空気を、日常生活の中で自由に満喫できることだと思います。
そこでここまでをまとめますと、
本質的(理想的)なことに気付いて正そうとしても、
個人の生活が成り立たないことや、
会社が儲からないことや、
税収が下がり議員数や公務員数の削減や減給に繋がることなどの理由で、
地球環境保護や和を保った世の中など、理想社会の達成は到底できないという結論になってしまうということです。
これこそが地球を壊しきってしまう根本的な原因になります。
残念な事に、社会構造が歪んでいるために、
理想論を唱えても絵に描いた餅で終わってしまい、
所詮、理想は夢物語に過ぎなくなってしまうということになります。(欠陥社会)
つまり利他的な発想を社会の仕組み(構造)が拒み、
良心を騙し、裏切り、妥協して生きているうちに、
精神がどんどん腐敗し、取り返しがつかない状況に陥っているのです。
また極端なことを言えば今の社会構造の中では、
いくら教育や管理、監査や罰則を強化してもルール(常識)を守りきれないということです。
要するに、方法を問わずお金を獲得しない限り生活が成り立たない社会構造になっていることが、善悪が「判っていても止められない」状況を生み、
理想社会をいつまで経っても達成できない原因になっていたのです。
しかし驚くことに、より重大で根深い原因があったのです。
その原因が、このようなとんでもない歪んだ社会構造を作り、
今の状況から抜け出せなくしているのです。
それが第二の原因となる精神構造的な原因「自我(エゴ)」なのです。
.精神構造的原因
@ 精神構造的な原因を解く際に鍵となるのが
「自我(エゴ)とは何?」と
「人間(自分)とは何(誰)?」という問いです。
この問いが幾ら哲学的、宗教的であるといわれても、
「生きる」ということや
「人生にとって大切なものは何か」を考える時、
避けて通ることはできません。
この問いは全学問の中枢命題(命があるうちに解かなくてはならない最も重要な問い)と呼ばれています。(哲学を社会の基盤にする政策が必要な時)
精神面は非科学的(暗在系)でもあり、
一般的には避けて通りたい内容なのですが、
ここでは大変重要な問題解決の鍵となりますので、あえて触れさせて頂いています。
それでは精神構造的な原因と考えられる
「自我(エゴ)」が誕生するメカニズムについて
検証してみましょう。
「自我(エゴ)」は、一般的に我欲や欲望や欲求などの根源といわれています。
(「自我は数千年前と同様に現在も謎」ブリタニカ国際百科辞典)
「自我」が誕生する過程の第一段階は、
@人体に
A名前を付け「自己」になるステージです。(命名=自己確立の鍵)
このステージでは、「人体」の成長(食事や運動など)と「自己」の成長(学問や教育など)をします。
つまり体格形成(人体=有形的な「生」いのち)と人格形成(人=無形的な「命」いのち)の二つの成長をするということです。
仮にこの時期に狼や猿に育てられたり、軟禁状態で育てられたりして声かけのない環境で育つと、「自己」は形成不全となってしまい、人の社会での生活が営めなくなります。
本文では人を、万物の創造の起源となる意識と定義付け、
「起源意識(人)」と呼んでいます。(宇宙のビッグバーンや揺らぎの起源となる意図の根源)
また「起源意識」自らが分れて
「自分」になっているとも考えています。
続いて次のステージでは、形成された「自己」が
様々な物(有形・無形)を所有することで形成される
「我己」が誕生するステージです。
「我己」とは聞き慣れない名前ですが、「自己」が物を所有する慣習によって、
「自己」と同等またはそれ以上の価値観を持つ、もう一人の陰の存在(分身=「我己」)をいいます。(人格の二面性)
例えば自分(「自己」)自身が傷つけられなくても、自分の所有物である車や鞄等が傷つけられると、あたかも自分自身が傷つけられたかのように怒ることがこれに相当します。
この例は有形的な物ですが、これ以外に無形的な例として社長や先生、学者や公務員、社会的地位や名誉などのプライド(自尊心:自らが尊ぶ存在を「我己」という)が傷つけられるも挙げることができると思います。
不思議なことに判断基準が人(「自己」)から、「我己」に移ることで、車を持つと自分の車を中心にしたり、社長や先生になると社長や先生を中心にしたり、子供を持つとお母さんを中心にして、物事を判断するようになるのです。これが「我己」の特徴なのです。
そしていよいよ最終的なステージで「自己」と「我己」が融合することで、「自我(エゴ)」が誕生します。
一旦「自我」を形成すると物事の判断基準は、徐々に「我己」を中心にするようになり、利他的な発想が損なわれていきます。
この結果、判断をしているのが人(「自己」)ではなくなる為に時として判断を誤ることになるのです。
例えば会社の社長になると、「自己」の判断ではなく、「社長」としての判断を優先するようになり、会社の利益の為ならばたとえ人の道を外れても会社の利益を優先してしまうことなどが挙げられます。(一部の人なのですが残念・・・)
つまり「自我」が形成されると、人は利害関係を重視し、「私(わたくし)」即ち私有や私略、私利私欲など独り占めや邪(よこしま)な考え方になりがちになります。いわゆる人の立場になって物事を考えるのではなく、私的で自分勝手な考え方になるということです。
そして最終的には、人の役に立とうとすることより自分(私)を最優先するようになってしまいます。
また社会自体が強い「自我」を形成しないと生き残れない「自我社会」になっていることも原因を助長拡大しています。(自分だけを大切にする)
現在、大半の人類は「自我」という状態にあります。人類の「類」は「たぐい」のことですから、本来の人(「起源意識」)とはまったく異なった偽者(類)ということになります。
大切なことは、どうしたら偽者から本物へ戻れるかということです。
その唯一の方法が「自我」の形成を極力抑制することなのです。
つまり地球上で「自我」となってしまい、本物(「起源意識」)に戻れないままでいると、人(「起源意識」)としての判断を下せなくなり、やがて地球を壊してしまい、破滅してしまうということなのです。
即ち「自我」の形成こそが「判ってはいても、止められない」という異常な精神状態に陥る社会構造を生み出した最大の原因と考えられるのです。
ギリシャのアポロン神殿とヒロシマの原爆ドーム対岸にある平和の鐘には、
それぞれ「汝自身を知れ」と「自己を知れ」と書かれています。
このメッセージは、
人類が「自我」であることを改めないでいると、
「自分勝手な考え方や生き方をしてしまい、最終的には崩壊または破滅してしまう」
という警告とは考えられないでしょうか。
「わたしは誰?」という問いがありますが、
この問いは「起源意識」自らの問いであり、
「起源意識」だからこそ出てくる問いです。
(宇宙と地球、人体と「自己」は「起源意識」が完成する為に必要な道具でもあり世界でもある)
わたしたち一人ひとりは「起源意識」の一部です。
すなわち一人という存在は「起源意識」の一部であり、
全体とは「総ての人の意識の和合したもの」、これこそが「起源意識」ということなのです。
(和多志わたしとは多くの意志が和したもの≠ 私わたくしとはひとりよがり、即ち人≠人類)
「起源意識」は、元もと全体一体で機能している生命体と考えられます。
ですから日常生活の場(環境)を、全体一体で機能できる社会にしておかないと、
天性や天命や天寿のまっとうが出来ないようになっているということなのです。
この理由こそが、総ての人が区別や差別なく、公平で仲良く、
和で幸福に暮らせる、理想的な社会を創らなくてはならない最大の理由(大義名分)ではないかと思われます。(哲学的な理由付けが社会基盤の構造を成すべき)また「人間」とは辞典によれば「世の中・世間」と書かれています。
ということは皆が「起源意識」であって、皆が「起源意識」だからこそ「人間(世の中・世間)」を創ることができるのではないかと思います。
そこで以上のことを踏まえて問題に戻りますと、困ったことに今の世の中は「自我」を強化しなくては生き残れない「自我社会」となっています。
この自我社会の骨子を成すのが資本主義(競争社会、弱肉強食)と市場経済(環境破壊、差別化)と拝金思想(金権主義、金至上主義)なのです。
また命(人「起源意識」)には差別や区別が無くても、生(人体)のおかれた境遇によってできる差別や区別によって待遇や接遇が違っています。
従って今の世の中は、公平や共生などの理想的な社会(起源意識社会)とは程遠く、次々と「腐った林檎(自我)」が育つ林檎箱(自我社会)と化しています。(現代社会=林檎が腐る林檎箱)この状態を改めるには、社会構造と精神構造の二つを同時に解決する必要性があることはいうまでもないことだと思います。
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この改行は必要→