ユニアースプロジェクトU(地球と地域の再生プロジェクト)
X.ユニアースシティ構築のプロジェクト概要
- 住宅プロジェクト(理想住宅のあり方)●滋賀県東近江市に建てられた循環型住宅
- 経済と産業のプロジェクト(自給圏経済:日常生活に必要な食糧は地産地消、地産できない物は自主的交易)
- 農業のプロジェクト (完全自然農法とバイオテクノロジーの融合)
- 金融のプロジェクト (財布レス社会の到来)
- 労働のプロジェクト (天職の選択と天性の発揮)
- 飲料水と生活雑排水処理プロジェクト (安全で美味しい水の作り方)
- ゴミ処理プロジェクト (ゴミはお宝!)
- 教育プロジェクト(人の役に立つ人づくり)
- 交通システムのプロジェクト(安全に、いつでも、だれでも、どこへでも)
- エネルギーのプロジェクト (次世代エネルギーの利用)
- 医療と介護と福祉のプロジェクト (寝たきりにならない健康管理)
- ユニアースシティのルール
X―1.住宅プロジェクト
住宅は京都府の「NPO 法人次世代の家と社会をつくる会」宇津崎光代氏が提唱されているように、
「子供を人として育てる重要な住育の場(地球の子宮)」です。
そこでユニアースシティの住宅仕様は以下のようなものが理想ではないかと考えられます。(物質面の充実)
@ 住宅は地域にあったユニバーサルデザインが理想的で活断層を避けて建設し、耐震性や耐候性を備えることが理想です。
A 住宅はトラブル箇所が発見しやすく、配管や配線等のメンテナンス性に優れ、さほど専門的な知識がなくても大方は自分で修理できる構造であること。
維持管理の責任を各自が持ち、人任せの生き方ではなく、自己責任と自主的主体性を養い、自活できる術を身に付け、生きることの本質を知ることができる住宅が理想であると思います。
B OM 工法、SC 工法、GEO パワーシステム、またはこれらに替わる設備を採用し、可能な限り冷暖房器具などに頼らない屋内生活空間を創造する意味からも(夏場の熱対策、隣地住宅の高層化の抑止が鍵)、太陽光や風や雨水で室温調整を行なうことが理想であると思います。
C 建材は各地方で採れる地場の木材を使用し、
呼吸する住宅という観点から木造住宅が理想であると考えられます。
また家のサイズは家族構成で決定することが望まれます。
D 職人の技の伝承や地場の文化の伝承と現代文明のコラボレーションが理想であり、具体的には伝統技法と太陽光発電や風力発電、小水力発電と蓄電池を組み合わせたエネルギーの自給、太陽熱温水器で給湯をまかなうことなどが理想的ではないかと考えます。(劣化しない大容量蓄電池の開発、インフラから切り離したオール電化、電磁波の問題解決、マイクロガスタービンによるコージェネレーション、永久エネルギー的なものがあれば今こそ世に出す時では)
E 水は河川や井戸水などを利用し緩速濾過(生物処理、信州大学 中本信忠教授)にて飲料水として確保し、雨水を備蓄し夏場の打ち水や植物への水やり、屋根への放水や洗車または家屋の冷却水などとしても活用し、ローテクで安全な水の確保と涼しい住宅環境を備えることが理想ではないかと考えられます。(地下水汚染対策が鍵)
F 生活雑排水(風呂・洗濯・台所・洗面)や糞尿や生ゴミは、下水道への垂れ流しをせず、バイオ分解処理やバイオ濾過等を採用し田畑で利用します。
例えば(株)日本バイオテクノのBIO.21 は、トイレの水のみならず洗面や風呂や台所の水までオールマイティに処理ができ、トイレではウオッシュレットも利用できる為、誰でも違和感なく利用できる利点もあります。
物の究極的選択と利便性や快適性を基準に物自体の要否を考え可能な限りECO 電装品を選択し、究極の文明設備を揃えることが大切です。
G 文明のスタンダード決め、IT 関連品、薄型液晶テレビ、調理器具、食器洗浄機、洗剤を使用しない全自動洗濯乾燥機など家具調度品や電化製品等は当初より標準装備します。
究極のホームセキュリティを一家庭のみで達成することは至難なので、
全ての家庭で必要とする装備を標準で備え公平化を計った方が無難と考えられます。
H住宅周りの植生に配慮し、通年で住宅環境(採光、陽光)をコントロールする事が望ましいと思います。
I多少の家庭菜園のスペースを設けることで新鮮な野菜を自給します。
J住宅のクリーン&エコロジーのみならず、
人体と精神面(無駄な動きが少なく、人の気配が感じられ,家族での対話が保てる住まい)のクリーン&エコロジーにも重点を置きます。
Kユニアースシティのコンセプトと重要性が理解されれば、
商品は全て完成度が要求されるようになり、
壊れない究極の物づくりが求められます。
これによって各企業は究極の技術を活かし最も優秀な物づくりに挑むことになります。
ユニアースシティの住宅は、以上の条件を満たすことと定期的なメンテナンスと、パーツ交換を行うことで半永久的に使える住宅(可変永久的住宅)になります。
※滋賀県東近江市に建てられた循環型住宅
一戸の住宅が環境に負荷を掛けない生活の場として造ることができれば、地球環境の改善と保護は確実にできると考えられます。(同様に社会全体を無公害社会へと作り替える)
X−2.経済と産業のプロジェクト
一人だけ、または一家族のみ、あるいは特定集団だけが山村や自然の中で理想的な自然生活や仙人暮らしを実践してアピールすることと、国家や地域の社会構造を変え、理想的な社会の実現をアピールすることでは、全く異なった活動であると言っても過言ではないはずです。(行政に働きかける)
そうなるとやはり人や社会との関わりを保ちながら国や地域を、理想的な生活の場として完成することが大切であると思います。
そこで具体的なまちづくりの手順について考えてみたいと思います。
@ まちづくり(モデル)ができる土地(ゴルフ場跡地や大きな工場跡地、埋め立て地や公共事業予定地など)を用意(立地条件は活断層の回避、水没や津波や土砂崩れ、火災による延焼等の防災面を考慮)し、道路や交通システム等のインフラを先に導入した後、一戸完結型住宅(ユニアースハウス)を食糧受給率(一人が年間に消費する農作物の量)に合わせて適正配置を行ないます。(当初のモデルは50 世帯200 人規模)
A 農業型ユニアースシティの場合は共同農園と田んぼを設け、春には田植えを秋には刈り取りを共同作業で行ない年間の主食を収穫確保します。
米づくりなどの農作業を共同で行なうことで、お金ではなく人と人の助け合いや、人との付き合い等、人間関係の重要性が身にしみて理解することができます。
これによって古き良き時代の日本の相互互助精神を身に付けることができます。
農地は、既存の田畑があれば新たにシティ内に田んぼを造らなくても休耕田や放棄田を借り受け、完全自然農法で米を作り、地主に生産米の一部を借り賃として提供することが理想であると考えられます。
これによって農村等の活性化と生態系の保護が可能になります。
B 地場にない物は、地方のユニアースシティと自主的交易(例えば農村型ユニアースシティと漁村型ユニアースシティ間で米と魚や塩等価交換)でまかないます。
C ユニアースシティごとで、バイオエタノール、塩、砂糖、農作物、工業製品、魚介類など特化した基幹産業を持つことが大切で、ユニアースシティという経済特区としての立場からみた外貨(日本円)を稼ぐには、自然農法で作った農作物や特産品(ぶどう酒、魚の干物、ソーセージなど)を市場に流し、ユニアースシティの文明維持のための部品調達や製品調達等に用います。
D 延々と造り続ける現在の物づくり産業構造のままでは、地球環境の保護や改善ができないことは前述の通りです。(過剰な物欲は精神構造にも悪影響)
そこで工業型のユニアースシティでは、作る物の必要と不必要をすみ分け、可能な限り永久的な耐久性を備えた物を作り、パーツの供給などで維持管理することが必要となり、これを自立維持管理型産業構造と呼び、ユニアースシティの基本的産業構造とすることが必須です。
以上のような一つのコミュニティ内(経済特区)で衣食住やエネルギーなど総てを自給自足(共給共足)する経済を自給圏経済と呼び、国家の継続的な支援がなくなっても「まち(地域社会)」を維持できる経済システムです。(市場経済から自給圏経済へシフト)
年金や生活保護などいつまでも国や地方自治に頼っていたのでは、夕張市のようにある日突然、生活の保障がなくなる日が来るかも知れません。
国民であるならば地域再生のために名乗りを上げてNPO に参加するか、またはNPO を自らが作り、地域再生基本方針に基づく内閣官房の地域再生推進予算や内閣府の地域再生事業予算や構造改革特別予算などでユニアースシティを造り、優良な地域運営を行なうことができれば理想ではないかと思います。
いずれにせよ税金を採られるのは国民なのですから、
国が作った増殖する財政赤字(公称827 兆円2006 年6 月時点)の返済を国民が自主的に地域再生という形でお金の返済をしてもよいのではないかと思います。
これが愛国心であり、日本人の持つ相互互助精神と言えるはずです。
ユニアースシティは行政主体で経済特区として地域を限定して造るクローズドタイプと、市町村の中で地域を限定せずNPO や法人としてシステム運用するオープンタイプの二つのタイプがありますが、まずはじめにクローズドタイプの例を解説させて頂きました。
X−3.農業のプロジェクト
食育は健康な身体と精神性を育む基本です。(肉体と精神の確立必要条件)
日本では有機農法推進法として政府が奨励し、有機農法や自然農法が当たり前のこととなりつつあります。
しかし、減農薬や低農薬という米も含まれ本物と呼ぶにはお粗末な物もあります。
問題は本物の米作りには、田んぼの水を微妙に調整する必要がありますが、
日本では冬期に田んぼに水を張ることが殆どできない所にあります。(水利権の弊害)
しかし、もしこれが可能になれば冬期湛水水田(冬の水田に水を張る=冬水田んぼ)を作ることで、良い米作りと自然環境保護と環境の正常化という大きな二つの役目を果たすことができるようになります。
冬期湛水水田の利点は、肥料を田んぼの中の微生物やイトミミズや野鳥の糞等でまかなうことができる点にあります。
また冬に水を張った水田は大気中の炭酸ガスを吸い酸素を供給するため、ビオトープの役割を果たします。
つまり健康に良いお米を食べながら、地球を護る役割をしてもらうことができるのです。
例えば琵琶湖や浜名湖や河川の水等を田んぼに入れ、田んぼの微生物で水を浄化しながら二酸化炭素を削減することも可能です。(ローテクな改善方法)
ユニアースシティが推奨する代表的な農法は、
滋賀県の「農事組合法人ネイチャージャパン」
仲岸希久男氏の「自然耕のコメ」や
東京都の「NPO 法人メダカのがっこう」中村陽子氏が行なっている不耕起農法や、
宮城県の岩渕成紀氏の冬田んぼに水を張り(冬水田んぼ)、
野鳥や微生物の生態系を農業に活用する「NPO 法人田んぼ」などがあります。
中でも京都大学農学部出身の堆肥研究家である深田修三氏による有機廃棄物を原料に、短期間(12 日)で微生物培養活性水の原料となる「蒸留水」と発酵状態の優れた「熟成土壌」を同時に生産できるという、
今後大いに期待できるバイオマス農業などがあります。(農林水産省バイオマス・ニッポン構想に則す)バイオマス農業資料 tadankairiyou.pdf
X−4.金融のプロジェクト
お金を必要としない生活の場づくりは、物に満たされることで利他的な発想へと人の意識を変えることで達成されると考えられます。
従ってこのプロジェクトは、お金や物を中心に物事を判断するのではなく、
生命や人と人、人と動物、人と植物など社会全体との関係を保つことの大切さを体感することで、お金や物よりも大切なものがあることを身に付けることで、意識を変えるプロジェクトです。(キャッシュレス社会到達へのプロジェクト)
@ そこでまずユニアースシティごとにユニアースシティバンクを設け、
市場で得た利益を全てプールして一元管理します。
この利益は給料や株のように分配するのではなく、
ユニアースシティを維持管理運営する経費として用います。
経費は住人の生活を支え、生活レベルの均等化を図り、皆が同じ恩恵を受けられるように利用されます。
A 車も当初より環境に配慮した車を選択して、
利用率に見合うだけ配車し共同利用します。
B また理想的な家電製品や家具調度品なども初めから住宅(貸与される共用住宅)に標準装備しておけば、街に買い物に出ても生活必需品のみの購入に止まり、余分な購買意欲を湧かないようにできるはずです。
このようにすることで利他的な発想へと人の意識をシフトさせることが可能になると考えられるのです。
C シティバンクのお金は、シティ住人全員のものであると同時に一人のものともいえますが、各人の月額利用金額をグラフ化して公開し、全体と一目瞭然で比較検討ができるシステムを備えることが大切です。(または職種に無関係に時間あたりの給料を均一化する)
こうすることで人目を意識し、周りに配慮する能力(調和と協調性)を身に付ける事ができるようになります。
D そうなれば例えばキャッシュカードで好きな時に、好きな物を、好きなだけ、購入できる環境を与えたとしても、全体のバランスの中で自立(自律)した生活ができるようになると考えられるのです。
こういう仕組み作りの積み重ねが本当の意味でのキャッシュレス社会を達成できるようになると思います。
E いわばシティ内を財布レス社会にすることが実際に可能となり、
拝金思想から、拝命思想(生命をベースに人との関わりを重んじる考え方)へとシフトすることができると考えられます。
F バンクの残高は、イントラネットで住民ならば誰もがいつでも照会できる仕組みを作り、シティの財政と運用を公開することで情報を常に共有できるようにすることも大切です。
G バンクのお金は、必要に応じてシティ外への旅行にも使い
ローテーションで公平に余暇を楽しむことも可能にします。
以上のような生活の中で自分の立場や境遇が判る社会環境(命のポジショニング)を作り、生活レベルを把握し、他の生物にも配慮して生きることができる環境さえ整えておけば、社会の秩序は教育しなくても身に付けることができると考えられるのです。
またユニアースシティバンクは、日本が抱える財政赤字に対して年間補填額を具体的に数値化し、国家再建に向け貢献することも視野に入れることができます。(税金やお金を必要としない国家になるまでの納税義務を果たせます)
X−5.労働のプロジェクト
運営当初は、趣旨にご賛同頂ける専門分野の資格保有者や専門家の中から希望者を募って優先して入植していただき、ユニアースシティのスタッフの指導育成を行なって頂くことが先決です。
ユニアースシティの中心に、ユニアースシティホール(共同労働の場)を設け、
地下には食糧保管庫(食糧の一元管理)、階上にはシティバンク、教育施設、ランドリー(職種に合わせてユニフォームを支給し、まとめて洗濯する)、入浴施設(石鹸やシャンプー等の使用を一元管理)、バイキングレストラン(健康に配慮した安全な食事の提供)、リハビリ・ケアセンター、老人ホーム、福祉介護施設、衛生管理施設(含む検疫)、娯楽施設(ストレスの解放とコミュニケーションの場)などを備えます。
また施設のエネルギーや水や食糧などを自給し、雑排水などもこの中で処理できることが必要条件になります。
ユニアースシティの基幹産業のタイプ(農業型・林業型・漁業型・果樹園型・工業型など)によって、必要な職種は変わりますが、仕事の基本内容は維持管理運営です。
ユニアースシティでは、保証人や身元の引き受け人がなくて就職しにくい境遇にいる交通遺児や災害孤児をスタッフとして優先的に受け入れ、ニートやフリーターも採用し、お金ではなく、生きることの意味を体得し、生きる喜びを学びたい人を採用することを理想とします。(これらの人の対応できる専門家を配属)
また入植者やビジターやゲストの受け入れを行なう際のオリエンテーションには、既存の市町村が運営する施設を有効活用して公共施設の赤字補填にも役立てます。
オリエンテーションの主な内容は、間伐の体験、農業体験、漁業体験、家造り、調理教室などの体験工房を設け体験的なものになると考えられます。
オリエンテーション後、各自に適した職種(天性や天職)を選択し、
衣食住の完全保証の中で労働力を提供していただきます。
ユニアースシティでの食事は、各人が何らかの仕事につき労働さえしていれば、
シティホール内にあるバイキングレストランで食事のサービスを受けることができます。
レストランの食器などはコーラル(割れない陶器)を使用し、
セルフサービスで行なうことを基本とします。(余った食べ物は、バイオマス燃料や堆肥として利用)
ユニアースシティには様々なタイプがありますが、
生活の規範は農業を中心にすることを一般的と考え、
農業という性質上「月」の運行に合わせることが理想的であると考えられ、
太陰暦(1 年は13 ヶ月)になります。
1年が13 ヶ月のカレンダーの中で仕事をローテーションで行ない、
十分な休養をとり、余暇を音楽や芸術、祭りや伝統や文化の継承に充当することができるようになれば、人と自然環境のバランス(命のポジショニング)を体得できるようになると思います。
ユニアースシティでは、何らかの生産性のある仕事をしていれば、
年金や給与が無くても暮らせる環境を創り、
人として理想的に暮らす事ができるのです。(夢があれば容易に資本主義から自由公生主義へシフトできるはず)
X−6.飲料水と生活雑排水処理プロジェクト
既存の上水道は発がん性の問題が指摘されている塩素を入れない安全な水の供給ができていないことと、下水道は巨大都市部において処理能力を超える量の雑排水でオーバーロード状態に陥り、今後十分な処理ができないままの汚水が河川や海に排水されることが予測されます。
そこで新たに創るユニアースシティは、原則として既存の上下水道には接続しないことを考慮する必要があると思います。
そこで新たな上下水道を整備する必要性がでてきます。
1.
飲料水は井戸水や湧き水、河川の水を信州大学繊維学部中本信忠教授提唱の緩速濾過(生物浄化)で確保すれば、安全で美味しい水を誰もが安価で簡単に作ることができます。
この濾過施設は、なにも新しく作る訳ではなく、明治時代から昭和初期の日本各地に1万カ所に及ぶ緩速濾過を用いた水道施設が作られていて、システムを元に戻せば良いだけなのです。ところがこれにも上下水道利権があるため簡単にできることではないのです。ここでも経済特区という形式を採らざるを得ない要素があります。
2.
雑排水の処理は
@一般家庭と、
Aシティホールの二つに分れます。
@ の一般家庭は、バイオタンクで処理し、堆肥にすることで家庭からの生活雑排水を完全に無くすることができます。
A のシティホールは、多人数で利用するトイレや浴場、ランドリーや食堂を備えることから、東京都が採用している高速処理機を使い高速処理水を作り、シティホールや農業で再利用します。(東京都のように河口に処理施設を設けたのでは、せっかく飲料水として用いることができる水ができても、有効な利用方法が無いばかりか、仮に海に流せば海で採れる水産資源を台無しにしてしまいます。そこで、この技術を上流水域で使うことができれば綺麗な水によって湖や河川を再生することができます)
これらのシステムを作ることで一般家庭よりの雑排水を完全に無くし、
シティホールの雑排水も完全に無くすことができ、
自然環境の回復と保護に大いに役立つと考えられます。
X−7.ゴミ処理プロジェクト
ゴミ処理も
@一般家庭のゴミと、
Aシティホールのゴミに分かれます。
@ のゴミは燃えるゴミ(生ゴミ)と不燃ゴミ(ビニール・金属類・プラスチック)に分別し、生ゴミはバイオ処理機にて堆肥化し、家庭菜園や農地で利用することが理想です。
その他のゴミは、今のところリサイクルします。
A の生ゴミはユニアースシティ内外の養鶏や畜産農家より入手する牛糞・鶏糞等と共にメタンガスで稼働(マイクロガスタービン)する地域限定のガス発電装置(コージェネレーション)で利用することも可能ですが、地域性を考えてオール電化もしくはオールガス化のどちらかの選択を行ない、地域ごとに統一した方がシステムとしては簡素化できると考えられます。
また今後は、ゴミのバイオ処理を行ない肥料にして利用することが望ましいと考えられます。
ユニアースシティでは、ペットボトルやアルミ缶、スチール缶等は可能な限り使用しないパッケージ方法を検討し、リサイクルをする必要のない社会を推奨します。
また可能な限りのペーパーレス社会(情報はインターネットや情報蓄積確認型ファックスを利用し画面確認とする)とすることが望ましいとも考えています。
X−8.教育プロジェクト(人の役に立つ人づくり)
現在の教育は受験戦争に備える教育利権に配慮した構造のように見受けられ、
子供の未来や将来の夢の実現を中心にしているとは考えにくいように思います。
本来教育は実学にあると考えられ、共に学び、
共に成長する共育が理想であると思います。
そして共育の最終的な目標は悟り(自他の区別が無くなり、差が取れることで人として覚醒すること=分をわきまえる)であると考えられます。
すなわち究極の教育とは、初めから悟れる生活環境を作り、
成長過程で自然に人(「起源意識」)として完成できる構造(システム)になっていることが鍵になると思います。
従って教育したことと実際にコミュニティ内で行なっていることにギャップ(矛盾)が生じないことが基本になります。
ですから幾ら教育が優れていようとも、実際に学んだことが実践できていなければ意味をなさないということになります。
この考えに基づいてユニアースシティでは、維持管理運営する術を学ぶことが教育の基本になると考えて以下のようにまとめました。(生命維持方法の伝承)
@ イントラネット網により基礎的な知識を公平に提供し知識を共有(一般教養・知育)
A システム:シティの維持管理運営方法とルールを学ぶ(法律・規則)
B センス:天性の発揮と天職での就労で天才的な能力を発揮する(実技)
C サイエンス:創造性に基づいた科学技術の向上を計る(技術開発)
D 自己の管理教育:体育と知育、食育と住育(自己の責務・健康維持)
以上の5項目に分けることができます。
従って初めに理想的な実生活(ユニアースシティの維持管理運営システム=ユニアースシステム)があり、次に実生活を維持管理運営するには何が必要であるかを決定してから、継承するための実学としての教育をシステム化することが大切であると考えます。(途中でシステムをあまり変えることのないような教育システムの確立)
また教育に全てを委ねるのではなく、生命維持やインフラの維持管理や人との関わりなど、生きるための実務や実践を体験することで、勉強ではなくて、自然に身に付く生活の工夫が大切であると考えられます。
子供にとって大切なことは天性(潜在能力:自己のレベルを超越する人としての超人的能力)の発揮と社会との関わりです。
その為には大自然の中で皆と遊ぶことが大変重要であると思います。
あらゆる人と仲良くなる為には、横の繋がりとして総ての子供を人の子(ユニアースシティを担い継承する未来人)、または地球規模のユニアースシティ人(地球人)としての公平性を養い、ユニアースシティのあり方を国際社会へ自信を持ってアピールできる子供に育てることも大切です。
次に縦の繋がりとして温故知新も大切なことなので、
老人の養老院と幼児の幼稚園を合わせた幼老院を設け、
老人が培った叡智や体験を伝承することも大切です。
幼稚園児から現在の小学校低学年までは、
絵画や音楽による情緒教育、道徳を中心とした人との関わりや自然(自然学校)との関わり方の体験と学習、基礎体力の増強などを遊びながら体得します。
小学校の中学年から高学年にかけての知育(潜在意識の具体化)が
社会との関わりの基本を形成する。
読み(音読)書き(筆習字)算数(数の理を解く)理科(自然の摂理)社会(仕組みと関わり)などと、正しい会話と意思の伝達方法や社会の秩序やルールを学びます。
中学校では、体験学習による様々な職種の見学と体験など、
ユニアースシティのシステムを学びます。
高等学校では各自の意志で職業を選択し、
専門的知識と技術を体得(ジョブカードの取得)し、
研究開発の能力に優れ、発想性の豊かな人や、
より良き社会づくりを目指す人は、大学へ進み創造性を発揮することが理想です。
一般的には、高等学校を卒業すると専門家として就労し、
定年後は幼老院で幼児学習の先生として貢献することも可能です。
ユニアースシティは一貫した生涯育成システムにして、
「我己」を中心とする「自我」形成ではなく、
人の役に立つ「利他的」な発想が出来る人(悟った人=「起源意識」)を育てる場としておく必要があります。(教育の基本)
共育(双方向性の学び)の実践は大人が子供に手本を示すことが大切であり、
矛盾の無い実生活の場が不可欠になります。(充実した生活体系の場づくり)
「人間」を辞書で調べると、「人の住む所・世の中」と書いてあります。
ということは、「人間」即ち社会を創るのは、
わたしたち人の使命ではないかと思われます。
X−9.交通システムのプロジェクト
電車やバス等の交通システムは既に過去の遺物であって、21 世紀の住民のニーズに十分応えることはできないと思います。
また問題も多々あり、例えば電車の駅やバス停などには自転車が歩道にあふれ、歩行者にとって迷惑極まりない状態になっている所が多く見受けられます。
そして身体機能が衰えている老人がバス停や電車の駅まで行く間に、ひったくりや交通事故等と遭遇する危険な世相であることを考慮しますと、新たな交通網の確立が急務であると考えられます。
一方、自家用車も個人嗜好に合わせて延々と製造していたのでは、何時まで経っても炭酸ガスの排出量削減や地球環境破壊や温暖化は止められません。
それどころか交通ルールの厳格化(飲酒運転の罰金増・駐車違反の取り締まり強化)や原油価格の高騰により、車の本質的な利便性すら失われつつあると思います。
そこでユニアースシティは「快適な移動手段」ということをテーマに、
以下のようなシステムを提案させていただきます。
@ ユニアースシティの交通システムは、ゴルフ場のカートのように自動運転で走る車です。(ロボットカー:電気や燃料電池やバイオ燃料で走る低公害車が理想)
例えば車は自宅の軒下から希望の場所(例えばシティホールなど)まで、
雨にも濡れず移動ができて日常の最大稼働率に見合った台数を配備して、
誰でも、いつでも、どこから、どこへでも、利用できることが望ましいと思います。(車は必要量だけ生産し、後は維持管理運営)
A 利点としては、道路にマグネットのラインを埋め込めば、
大掛かりな工事などを必要としなくて、少々の積雪にも影響されず、
簡単に実用化できるところです。(2004 年の浜名湖花博や2005 年の愛知万博の会場でも既に利用された技術)
B また健康に配慮し、可能な限り徒歩や自転車(共同利用)などの移動手段等で生活しやすい環境を整えることも重要ではないかと考えます。
X−10.エネルギーのプロジェクト
ガスは配管の亀裂によるガス漏れや引火による爆発事故など危険な要素があるため、管理責任を個人に委ねるのは危険ではないかと思います。
また燃焼することによる酸素の消費と大気の温度上昇にも問題があるのではないかと思います。
そこでユニアースシティでは、一般家庭のエネルギーをクリーンで安全なオール電化が理想的ではないかと思います。
またできればクリーンエネルギーを使うことが基本(太陽光、小風力、地熱、波、小水力発電、蓄電池)なのですが、問題はこれだけでは総てをまかなうことができない点です。(但し、原子力は推奨できません)
そこで理想的な電気エネルギーを分けると 2 系統になると考えられます。
@ 個別住宅は太陽光や小風力発電や小水力発電
A シティホールも昼間は個別住宅と同様なのですがこれだけでは到底まかなえませんので、シティホールのメイン電源と個別住宅の夜間における電力供給には、菜種油を天ぷらなど食用に用いた後、処理を行ないディーゼルエンジン用の燃料へと再利用したディーゼル発電機や地域ごとに集中管理する天然ガスを用いたマイクロガスタービンで発電するコージェネレーションを用いる事が理想ではないかと思います。(優秀な蓄電池の開発も望まれる)
X−11.医療と介護と福祉のプロジェクト
日本の医療費や社会保障額は増加の一途を辿っています。
また介護保険や健康保険の負担額も年々増加しています。
(健康保険は既に税金として扱われ、支払えないと資産が差し押さえられます)
このままではこれらのシステム自体が破綻することが容易に理解できます。
そこでユニアースシティでは極力、疾病や寝たきり老人を作らない生活環境を整える必要があると考えています。(健康体で天寿をまっとう)
日本テレビの健康番組で「おもいっきりテレビ」(平日の12 時.13 時55 分)があり、2005 年の企画特集の中で日本全国の80 歳以上の現役で元気な老人特集を放映しましたが、そこには注目すべき共通点がありました。
それは現役で元気な老人の多くが農作業(肉体労働=筋力維持運動)を、生活の一部としているということです。
これをベースに医療や介護や福祉を考慮しますと、医療行為を限りなく必要としない生活習慣と、食べ物や運動(労働)を日常生活の中で身に付けられるようにすればよいのではないかと思います。
例えば定年退職後まだ十分に働ける準老人の方々と共に、健康維持を考慮し軽作業を行なう。
これは団塊の世代という新たな労働力の開拓にもつながります。(お金を払ってまでスポーツジムに通い労力を費やすのならば、ユニアースシティで労働力としてご提供いただき、お礼として農作物を提供し、維持管理運営費を削減)また実際に三重県尾鷲市で実施された麦踏み運動に類似した「ゆるゆる体操(落合正浩医師など)」等で、血糖値の低下や、運動不足に起因する各種の病気の予防に成功している事例もあります。
そして、新たな巡回診療の方法としてインターネット網を利用し、直接ドクターが各家庭を巡回診療しないインターネットホーム巡回診療(医療従事者数の削減)などは、経費削減に大きく貢献できます。(株式会社創研牧田進氏提唱の「くらしの安心」地域コミュニティネットワークを創造する)
ドクターも現役のリタイア組(団塊の世代)で志が高く献身的な人が好ましく、衣食住の完全保証という条件で奉仕できる人の採用が理想的です。
ドクターの仕事としては、毎朝各家庭の老人とネットを介して巡回し、血圧、脈拍、顔色などをモニター上で確認して、異常があればユニアースシティ内または既存の病院で治療を受ける手配を行ないます。
またユニアースシティ住民であれば誰もがインターネットを介し、ドクターに直接医療相談(相談受付時間内)ができ疾病の早期発見と予防ができます。
最悪寝たきりになった場合は、ユニアースシティホール内の介護施設で手厚いケアを受けることも理想ではないかと思います。
またユニアースシティ内では薬草を栽培し、病状に合わせて調剤することが望ましく、自己免疫機能を高め日頃より疾病予防に努めることで化学薬品等に掛かる高額な医療費を抑制できます。
以上のシステムを統合して、経済特区としてユニアースシティを建設します。(部分的に真似たのでは偽ユニアースシティとなり、目的の達成は出来ません)
そして次に必要になることはルール作りです。
X−12.ユニアースシティのルール
@ 命を最も貴ぶ。
人の生き様が一切を決定しています。
その為、生きとし生けるもの総ての生命を公とし、公の法則に則った上での個人の自由が尊厳される自由公生主義(共生主義を彷彿する全方向互助の精神)を理想とします。
A ユニアースシティ内は税金に変わり労働と奉仕、
お金に変わるのが相互互助とします(財布レス社会)。
B 物(家・車・自転車・農地など、但し人体は除外する)は、
全てユニアースシティの物として、総ての人で共用すること。(我欲の抑止)
C お金や税金の必要があるうちは、ユニアースシティの運営費(シティ外からの購入費等)を十分にまかなうことが出来る産業を有することが大切です。(シティ内へ市場経済と資本主義と拝金思想を持ち込まないためにも、運営費以外の収益は赤字財政の補填や寄付金または海外の支援金として使用)
D ユニアースシティの市政はコンピュターシステム(管理・運営)で行われ、
市政は誰にでも簡単に理解できるようになっていること。
即ち一人一人が公平に扱われているか否か、
そして市政の財政や政策達成度などのチェックを誰でもいつでも確認できることがとても大切なのです。
従ってユニアースシティでは、言わば総ての人が何らかの生産性を持つ公務員と同様であり、身分や階層が生まれる生活環境ではありません。
しかし、これに反して日本国が総ての民営化政策を行えば、
公という概念を失い、「我欲」の根源となる「自我・エゴ」を増殖させる結果となり、
国家がどうなるのかはいうまでもないことだと思います。
ゆえに「我欲」が働かない社会構造をシステムとして作ることが必要なのです。
以上を踏まえると、日常的にみられる駐車違反や飲酒運転を教育や法律で防止することが至難であるように、規則や法律を守らせる為の教育や教習などの方法論ではなく、初めから人に守らせる為の規則や法律など、極力必要としない社会構造を確立することが理想ではないかと思います。(常識をシステム化する必要性)
過去の日本はファッションセンスの統合(ブランド嗜好ではない部分での融合)で、
嫉妬防止の文化を形成していました。(出る釘は打たれる)
すなわち旅館やホテルにある浴衣や草履などは、
体型が多少異なっていても誰もが共用できる文化です。(和の文化)
今こそ和の文化の利点を見直す時が来ているのではないかと思います。
いわばユニアースシティを造る必然性は、物事の判断がつくにも関わらず、
実践できない精神状態(「自我」の過剰発達)に陥る矛盾を解決することにあります。(言動を合致させる)
前述しましたが、全てを民営化すれば公という概念は失われ、
究極の無秩序競争社会へと移行し「自我」は急速な発達を遂げることになります。
また全てを公共化すれば公という概念の下で「自我」を消退させることができるということです。(「自我」の始末をする具体的な方法)
但し公ということは、中国共産党のように特権階級が存在するような公では本物とは言い難いと思います。
ユニアースシティはこの問題を解決する方法として、
政治や経済、教育や金融などをシステム化し、
コンピューターの管理下で公平な生活をすることを推奨させて頂いています。(ロボットカーによる自動運転の車社会のように、ルールをコンピューターに守らせてシステム運用する)
そして、コンピューターシステムを作った人達も含め、
総ての人が同一条件で暮らす社会にすることが理想だと思います。
また、公平という考え方を妨げてきた「自我」の抑制方法の特効薬とも言える、物の共用という考え方も重要になります。
よってユニアースシティのネットワークが完成した時には、現在抱えている殆どの問題の解決ができると思います。
それ故に思想と宗教が唱える理想は、ユニアースシティという形で具現化され、公的な地域社会(市町村や国家)として、誰もが理想的な日常生活の営みができるようになることで達成されると思われます。
次の課題はユニアースシティへの入植条件と入植する順番です。
X. ユニアースシティ構築のプロジェクト概要
- 住宅プロジェクト(理想住宅のあり方)
- 経済と産業のプロジェクト(自給圏経済:日常生活に必要な食糧は地産地消、地産できない物は自主的交易)
- 農業のプロジェクト (完全自然農法とバイオテクノロジーの融合)
- 金融のプロジェクト (財布レス社会の到来)
- 労働のプロジェクト (天職の選択と天性の発揮)
- 飲料水と生活雑排水処理プロジェクト (安全で美味しい水の作り方)
- ゴミ処理プロジェクト (ゴミはお宝!)
- 教育プロジェクト(人の役に立つ人づくり)
- 交通システムのプロジェクト(安全に、いつでも、だれでも、どこへでも)
- エネルギーのプロジェクト (次世代エネルギーの利用)
- 医療と介護と福祉のプロジェクト (寝たきりにならない健康管理)
- ユニアースシティのルール
Y.ユニアースシティへの入植
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